国民栄誉賞のスポーツ選手一覧!歴代受賞理由と辞退の真相を徹底解剖
日本中を熱狂させ、歴史にその名を刻んだアスリートたち。彼らの卓越した偉業を称える最高の栄誉として知られるのが「国民栄誉賞」です。1977年に創設されて以来、数々の名選手がこの栄冠を手にし、日本社会に大きな勇気と活力を届けてきました。
しかし華々しい表彰の裏側には、知られざるドラマが存在します。現役生活への強いこだわりから打診を辞退し続けたレジェンドたちの矜持や、「賞金や年金はいくらもらえるのか」といった制度の実情、さらには時の政権による支持率浮揚策ではないかという議論まで、関心は尽きません。本稿では、歴代の受賞者一覧から選出理由、辞退の深層心理、副賞の真実まで、一次情報と丹念な取材記録をもとに多角的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:国民栄誉賞を受賞したスポーツ選手・団体は歴代で計10件(個人9名・1団体)。王貞治の第1号から羽生結弦の最年少受賞まで、日本中を沸かせた金字塔が並ぶ。
- 要点2:イチローは通算3度、大谷翔平も打診を辞退。「現役選手としてプレーを極める途上にある」というプロフェッショナルとしての美学が辞退の共通項。
- 要点3:国民栄誉賞に賞金や特別年金は一切存在しない(0円)。贈呈されるのは表彰状・盾と、100万円相当の記念品(副賞)のみである。
【歴代一覧】国民栄誉賞に輝いたスポーツ選手と選出の決定的背景
国民栄誉賞の歴史は、まさに日本のスポーツ史そのものです。これまでに個人9名、そして1つの団体が栄誉の盾を授与されました。各選手がどのような圧倒的記録を打ち立て、国民的な熱狂を巻き起こしたのかを整理しました。
| 受賞者(敬称略) | 授与年月日 | 主な受賞理由・金字塔 | 当時の首相 |
|---|---|---|---|
| 王貞治 | 1977年9月5日 | 通算本塁打756号の世界新記録達成(第1号受賞者) | 福田赳夫 |
| 衣笠祥雄 | 1987年6月22日 | 連続試合出場2,131試合の世界記録達成(鉄人) | 中曽根康弘 |
| 千代の富士貢 | 1989年9月29日 | 大相撲通算最多勝(当時965勝)達成、53連勝 | 海部俊樹 |
| 高橋尚子 | 2000年10月30日 | シドニー五輪女子マラソン金メダル獲得(女子陸上初) | 森喜朗 |
| なでしこジャパン | 2011年8月18日 | FIFA女子ワールドカップ ドイツ大会初優勝(団体初) | 菅直人 |
| 吉田沙保里 | 2012年11月7日 | 世界大会(五輪・世界選手権)13連覇の世界記録樹立 | 野田佳彦 |
| 長嶋茂雄 | 2013年5月5日 | 日本プロ野球界の発展と国民的熱狂を牽引した不滅の功績 | 安倍晋三 |
| 松井秀喜 | 2013年5月5日 | 日米通算507本塁打、MLBワールドシリーズMVP獲得 | 安倍晋三 |
| 伊調馨 | 2016年10月20日 | オリンピック個人種目女子前人未到の4連覇達成 | 安倍晋三 |
| 羽生結弦 | 2018年7月2日 | 男子フィギュアスケート五輪66年ぶりの2連覇(最年少受賞) | 安倍晋三 |
| 国枝慎吾 | 2023年3月17日 | 車いすテニスで前人未到の「生涯ゴールデンスラム」達成 | 岸田文雄 |
記念すべき第1号の王貞治は、国民栄誉賞という制度そのものを創設させるきっかけとなった存在です。ハンク・アーロンの記録を塗り替える通算756号本塁打を放った際、当時の福田赳夫首相が「この偉業を称えるにふさわしい国の顕彰制度がない」として新設を主導しました。
その後も、骨折を抱えながらグラウンドに立ち続けた「鉄人」衣笠祥雄、ウルフの愛称で相撲人気の頂点を築いた千代の富士貢など、単なる記録保持者にとどまらず、逆境に立ち向かう姿勢で日本中を勇気づけたアスリートが選ばれています。
羽生結弦の最年少受賞からなでしこジャパンまで|時代を動かした栄誉の軌跡
2000年代以降の国民栄誉賞は、社会の多様化や未曾有の国難とも深く結びつきながら、その重みを増してきました。
シドニー五輪で日本女子陸上界に初の金メダルをもたらした高橋尚子は、戦後の暗い経済不安を払拭する明るい笑顔で選出されました。そして2011年、東日本大震災の直後に列島を揺るがしたのがサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の快挙です。制度史上初となる「団体」への授与となったこの決定は、傷ついた被災地と日本全体に諦めない精神を届けた功績が認められた結果でした。
2013年には、東京ドームのグラウンド上で長嶋茂雄と松井秀喜の師弟同時受賞という歴史的セレモニーが実現しました。巨人の終身名誉監督としてプロ野球人気を不滅のものにした「ミスター」と、その魂を受け継ぎメジャーリーグの頂点まで駆け上がった松井氏。二人が並んでオープンカーで場内を一周した光景は、世代を超えた感動を呼び起こしました。
さらに2018年、男子フィギュアスケートの羽生結弦が個人としては史上最年少となる23歳で受賞を果たしました。右足首の大怪我を乗り越えて平昌五輪で掴み取った66年ぶりの連覇は、劇的なストーリーとともに多くの人々に勇気を与えました。授与式に人間国宝・甲田綏郎氏が手掛けた伝統工芸品「仙台平」の袴を身にまとい、凜とした佇まいで出席した姿は、被災地・宮城への深い敬意を表した振る舞いとして高く評価されました。
2023年には、パラスポーツ界から初となる国枝慎吾への授与が決定。四大大会とパラリンピックをすべて制覇する生涯ゴールデンスラムの達成は、パラスポーツの社会的地位向上に計り知れない貢献を果たしました。
なぜ断ったのか?イチローと大谷翔平が国民栄誉賞を辞退した「真の理由」
国民栄誉賞を巡る歴史の中で、受賞者と同じくらい世間の注目を集めるのが「辞退した選手たち」の存在です。特にイチローと大谷翔平の決断は、アスリートとしての確固たる価値観を如実に物語っています。
イチローは、生涯で実に3度にわたって授与の打診を辞退しています。
- 2001年(1度目):MLB移籍1年目で首位打者、盗塁王、MVPを獲得した直後。「まだ発展途上の選手であり、現役の身でこのような賞をいただくのはモチベーションの妨げになる」として固辞。
- 2009年(2度目):WBC連覇の立役者となった際。「現役選手としてプレーを続けている間は辞退したい」と改めて意向を伝達。
- 2019年(3度目):現役引退直後、政府が内々に打診。「人生の幕を下ろすときにいただけるよう励みます」という言葉を残し、再び見送る選択をしました。
一方、2021年にメジャーリーグで満票MVPに輝いた大谷翔平も、日本政府からの打診に対して「まだその器ではない。現役選手として高いレベルを目指している途上であり、今はまだ早い」という意向を示して辞退しました。前人未到の50本塁打・50盗塁やワールドシリーズ制覇を成し遂げた現在でも、自らの限界を定めず進化を追い求める姿勢は揺らいでいません。
過去には、1983年に当時の通算盗塁世界記録(939盗塁)を樹立したプロ野球・阪急ブレーブスの福本豊が、「そんなもんもろたら、立ち小便もでけへんようになる」という関西人らしい独特の表現で辞退した逸話も有名です。これは冗談交じりの言葉として広まりましたが、本質には「国家の模範として生きる責任の重さ」と「一人の野球人として自然体でいたい」という純粋なプロ意識がありました。
彼らに共通しているのは、国家からの顕彰に頼るまでもなく、自分自身の限界に挑み続けることが最優先であるという徹底したプロフェッショナリズムです。
意外と知られていない授与基準の実態|賞金・年金と豪華な副賞データ
「国民栄誉賞をもらうと、一生暮らせる年金が出るのでは?」といった噂を耳にすることがありますが、これは完全な誤解です。制度の実態について、客観的なデータとともに検証します。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 賞金 | 0円(完全無支給) | 五輪金メダル報奨金:500万円(JOC) | 金銭的報酬は一切なく、あくまで名誉を称える純粋顕彰である。 |
| 年金 | 0円(年金制度なし) | 文化功労者年金:年額350万円 | 文化功労者のような終身年金制度は存在せず、経済的優遇はない。 |
| 副賞(記念品) | 上限約100万円相当の物品 | 一般的な大臣表彰:記念盾・時計など | 受賞者の希望や個性に合わせた伝統工芸品や特注品が選定される。 |
| 選考基準 | 内閣総理大臣決定による包括規定 | 明確な数値基準(打率、タイム等)なし | 「社会に明るい希望を与えた」という定性判断のため、時の裁量が大きい。 |
内閣総理大臣決定(1977年)に基づく授与基準は、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」と定められているのみです。具体的な数値やタイトルの獲得数といった客観的なボーダーラインは明文化されていません。
また、注目される副賞記念品には、受賞者の個性やストーリーを反映した特注品が贈られてきました。
- なでしこジャパン:広島県の伝統工芸品である高級化粧筆「熊野筆」を受賞者・スタッフ全員に贈呈。
- 長嶋茂雄・松井秀喜:石川県輪島塗の技法を凝らした、金箔仕上げの特注漆塗りバット。
- 吉田沙保里:地元・三重県産の真珠を用いたミキモト特製のゴールドペンダント。
- 伊調馨:美しい西陣織の金襴帯。
- 国枝慎吾:伝統技術を駆使した漆塗りの特注車いすテニスラケットフレーム。
なお、羽生結弦は「被災地の方々の思いを背負っていただいた賞であり、自分個人が副賞を受け取るのは本意ではない」として副賞記念品を辞退しました。記念品すら辞退したこの行動は、被災地支援を第一に考える彼らしい決断として語り継がれています。
【実態検証】ファンの反応と現場目線で見えた「政治利用」への懸念
国民栄誉賞の授与がニュース速報で流れるたび、SNSやスポーツファンのコミュニティでは歓喜の声と同時に、ある根強い懸念が噴出します。それが「時の内閣による支持率アップのための政治利用ではないか」という議論です。
大手メディアの世論調査やネット上の論調を分析すると、授与そのものには賛同しつつも、タイミングに対して違和感を抱く読者が少なくありません。
「政権の支持率が低迷しているタイミングで、突如として人気アスリートへの打診が報じられる」という構図は、過去に何度も繰り返されてきました。制度上、有識者の意見を聞くプロセスはあるものの、最終的な決定権が内閣総理大臣にあるため、政治的な思惑が完全に排除されていると証明することは困難です。
現場取材を続けるスポーツジャーナリストの間でも、「打診を受けた選手や所属チーム側が、断ると角が立つのではないかとプレッシャーを感じてしまう構造そのものが課題」と指摘する声があります。イチローや大谷翔平のように確固たる姿勢で辞退できる選手は稀であり、打診された側の立場を慮る配慮が求められています。
【編集部の視点:受賞を受け入れるべきか・見送るべきか】
受けるのが自然なケース:競技生活の集大成を迎え引退を決断したレジェンドや、競技全体の普及・社会的認知度向上(パラスポーツや女子競技など)を自らの使命と捉える選手。
見送るのが賢明なケース:まだ現役生活のピークにあり、記録の更新やさらなるタイトル獲得に飢えている現役選手。「達成感」による精神的な緩みを防ぎたいトップアスリート。
【国民栄誉賞とスポーツ選手】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:国民栄誉賞をもらうと、税金の免除や特典などの優遇措置はありますか?
A1:一切ありません。税制上の優遇措置や特別手当、専用の特権などは皆無です。副賞として贈られる記念品(約100万円相当)についても、所定の法令に基づき適切に処理されます。完全に名誉のみを授ける制度です。
Q2:外国籍のアスリートでも国民栄誉賞を受賞することはできますか?
A2:制度の規定上、国籍要件は明記されていません。しかし、過去の全受賞者(文化人含む)は日本国籍保有者、または日本へ帰化・多大な貢献をした人物に限られています。大相撲の歴代横綱など外国出身の超一流選手が受賞に至っていない点については、スポーツ界でも度々議論の対象となっています。
Q3:国民栄誉賞を一度辞退した選手が、将来的に改めて受賞することは可能ですか?
A3:規定上の制限はないため、再度の授与は法的に可能です。政府関係者も「現役引退後など、本人の環境が変わった段階で改めて顕彰を検討することはあり得る」と言及しています。イチローや大谷翔平が完全に現役生活を終えた際、再び打診が行われる可能性は十分に考えられます。
まとめ:国家の顕彰を超えて輝くアスリートの本質
国民栄誉賞は、日本社会において最も知名度が高く、格式ある栄誉の一つです。王貞治が切り拓いたその道は、羽生結弦や国枝慎吾に至るまで、時代ごとの困難を打ち破り希望を灯したスーパースターたちによって紡がれてきました。
賞金も年金も出ないこの賞がこれほどまでに重い意味を持つのは、国民一人ひとりの記憶に刻まれた「あの瞬間の感動」を国が公式に認める証だからに他なりません。同時に、イチローや大谷翔平が見せた「賞の権威に満足せず、自らの道を突き進む」という毅然とした姿勢もまた、私たちに深い感銘を与えてくれます。
受ける者にも、見送る者にも、それぞれ譲れない哲学が存在します。賞という形式の枠組みを越え、自らの限界に挑み続けるアスリートたちの純粋な姿こそが、私たちが最も敬意を払うべき本質と言えます。 (出典: 国民 栄誉 賞 スポーツ 選手(Yahoo!ニュース))